恋の魔法と甘い罠




「その辺に適当に座って」



八畳の和室の中央に置かれたテーブルを指差してそう言った和泉さんは、備え付けの冷蔵庫からビールを二本取り出す。


それを見ながらそこに置かれた座椅子に座ったあたしに、そのうちの一本を手渡してきた。


和泉さんは向かい側の座椅子に腰を下ろすと、すぐにプシュッと音をたてながらプルタブを引いて、そのままそれを口に運んだ。


ゴクゴクとビールを喉に流し込んでいく様を見て、あたしの心臓はどきどきと大きく鳴り始める。



「旨い」



そう言ってテーブルにビールをコツンと置いた和泉さんは、あたしの方に視線を向けた。



「飲まねーの?」


「えっ……あ……」



ビールを飲み込む度に上下する和泉さんの喉仏や、浴衣の襟元から覗く鎖骨のラインが物凄く色っぽくて、ついそれに見惚れていた。
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