恋の魔法と甘い罠
こうやって誘ってくれたのは凄く嬉しいけれど、和泉さんからの視線を感じるだけで特に会話はない。


だからといって、あたしから話すこともできなくて。


この静かな空間にあたしのどきどきが響いて、和泉さんにも聴こえているんじゃないかと思ってしまう。


だからその音を抑えるように、ビールばかりに手が伸びてしまい……


気づいたら和泉さんとほとんど変わらないペースで飲んでいて。


頬が物凄く熱いし心臓がどきどきいっている。


といっても、このどきどきはアルコールのせいというよりも和泉さんと一緒にいるからだと思うけれど。


でもこんなに早いペースで飲んでいたらまたつぶれてしまう。



「もう一本いく?」



いつの間にかテーブルの角を挟んで隣に座っていた和泉さんに三本目をすすめられた。
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