恋の魔法と甘い罠
「なにやってんだよ」


「ご、ごめんなさいっ!」



呆れたように溜め息混じりに言われた言葉に慌てて謝る。


そして目の前の胸に手を添えてそっと押しながら視線を上げると、思いの外すぐ近くに和泉さんの顔があって視線が絡んだ。


その瞬間、おさまりかけていた鼓動がまたどきどきと激しく動き始める。


このままの状態でいたら、あたしの心臓が壊れてしまいそうで視線をそらそうとするけれど、和泉さんがあまりにも真っ直ぐすぎる瞳を向けてくるからそらせなくて。


ていうか、その瞳に吸い込まれるようにじっと見つめてしまい……


その距離が縮まっていたことに、全く気づかなかった。
< 283 / 357 >

この作品をシェア

pagetop