恋の魔法と甘い罠
悠亜さんは「あー、興奮してきたーっ!」と言いながらぎゃーぎゃー叫んでいるけれど、あたしがこの部屋に帰ってきてからはずっと興奮していたと思うんだけど。



「もう無理! ちょっと温泉に入って頭冷やしてくる!」



今が入湯時間であることを確認したあと、バスタオルを掴んでそのまま部屋を出ていった悠亜さん。


あまりの素早い動きに、ぽかんと口を開けたままその背中を見送っていた。


ていうか、温泉に入ったら頭を冷やすどころか暖まると思うんだけど。


どこか矛盾した行動にふっと笑みがこぼれた。



そして一人になった今、頭の中に浮かんでくるのは和泉さんのことばかり。


布団の中に入って目を閉じるけれど、全く寝付けない。


あれだけアルコールを口にしたら、いつもならすぐに夢の中に入ってしまうのに。
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