恋の魔法と甘い罠




「お邪魔します」



ぼそぼそと呟くようにそう言いながら靴を脱いで部屋の中に足を踏み入れる。


ここに来たのは三度目だけれど、今日が一番緊張している。


といっても、一度目にここに足を踏み入れたときのことは覚えていないんだけれど。


だってあのときは目が覚めたら和泉さんとベッドの上にいたわけだし。


しかもお互いに裸で……


……って!


あたしは何を思い出しているんだ!


じわじわと熱くなってきた頬を隠すように俯きながら和泉さんについていく。



「適当に座って」



リビングに入ったところでそう言って、和泉さんはすぐ隣にある対面式のキッチンの方へ歩いていく。


その後ろ姿を見ながら、ソファーに腰を下ろした。
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