恋の魔法と甘い罠
和泉さんと一緒にいたら、常に心臓が活発に動いている気がする。


きっと和泉さんが何をしてもあたしのどきどきに繋がってしまうからだ。


こんなにくっついていたらこの大きすぎるほどのどきどきが伝わってしまいそうで、少し距離をとる。


そんなあたしに、和泉さんは 不思議そうに首を傾げた。


けれど恥ずかしくてそんなことは言えなくて。


それを誤魔化すように、脳内にぱっと浮かんできたことを口に出していた。



「あの……」


「ん?」


「『罠』って何ですか?」


「は?」


「あたしが『魔法にかかったみたい』って言ったら、和泉さんが『罠にかかった』って言ったじゃないですか? あれってどういう意味ですか?」


「……あー、そういや、そんなこと言ったな」



少し考えたあと和泉さんはそう言ったけれど、それ以上は何も言わなくて。
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