恋の魔法と甘い罠
「だって噂が……」



ほんとはこんなこと言うつもりもなかったのに、ぽろっと声に出てしまった。



「噂?」



そしたら紗羽さんはなんのこと?と言わんばかりに首を傾げる。



「いえ、何でもないです」


「えっ、何?気になるから言ってよ」


「……」



確かにそうだ。


『噂』なんて言われて……


しかも紗羽さん自身のことを言われていると気付いているようで。


そうなったら、気になってしまうに決まっている。


言おうか言わまいか迷いながらも、紗羽さんは和泉さんとは親友だと言い切っているし、なんといっても来月結婚するのだから、この噂は噂でしかなかったんだと思い……


口を開いた。
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