Love...Twins
日常
「おい、美羽。早くしろよ、先行くぞ」
「ちょ、ちょっと待ってよ勇羽」

あたしはローファーをはきながら慌てて玄関を飛び出した。

薗田美羽。16歳の高校一年生。
今、自転車にまたがりながら外で待っているのが双子の兄、薗田勇羽。二卵性だからあんまり似ていないけど、、、

「準備がおせーんだよ。俺まで遅刻するっつーの」

あたしが勇羽の後ろに乗っかると同時に自転車が動き出した。

「キャッ!ちょっと、動くよって言ってって毎日言ってるでしょ!?」
「お前が遅いから急いでんだろーが」

あたし達はいつもの様に言い合いをしながら登校した。

「だからそんな昔の話しは今関係ないでしょ!?」
「うるせぇバーカ」

教室に入ると、親友の愛衣恋があたし達の頭をバシッと叩いた。

「あんた達毎日仲いいね~、けどウルさいっ!」
「あいこぉー、勇羽がいじめるんだよ?」
「よく言うわ、そんなんじゃ俺が悪者じゃねーか」

すると、空くんが勇羽にタックルして登場。

「おい勇羽。お前また俺の可愛い美羽ちゃんをイジメやがって!!」
「っっ!だからあたしは空くんのものぢゃないの!」

空くんは勇羽の親友で、ヤンチャで元気系な男の子。
だけど、、、
高校入学一週間目くらいに告られてあたしが振ってからは毎日こんな調子だ。

「ねー、今日こそ俺と付き合って!」
「やーだ!」

あたしは愛衣恋と席についた。

「ねー、美羽。今日も教室の外、人だかりだよ?」

そう。教室の外になんでたくさん人がいるのかっていうと、、、
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