Love...Twins
「いいカラダしてんじゃん」

3人は気持ち悪い目であたしを舐め回すように見てきた。
もぉ、ダメだ、、、

「そんなことしていいとでも思ってんの?」

あたしが諦めた瞬間、懐かしい声が、聞き慣れた声が、望んでた声が、
、、、大好きな声がした。

「美羽、あっち行ってて」

冷たい目をした勇羽が、今どれ程怒り狂ってるかがわかった。
あたしは、震える手でボタンを止めながらその場から少し離れた。

勇羽が相手を殴る鈍い音がする。
でもあっちは3人もいる。
いくら勇羽でも勝てない気がする。
あたしはギュッと目をつぶった。

怖い、、、、

あたしは何も出来ない。

「勇羽1人じゃ無理っしょ?」

すると、何故か空くんが後ろから走ってきた。

「空くん、、、?」
「俺も美羽ちゃん襲った3人許せない」

ニコッと笑った空くんがサッと真顔になったかと思うと、殴り合いの中に入って行った。
それでも3:2なのに、勇羽と空くんは殴り殴られ青龍の3人組に勝った。

「弱っちかったなww」

3人が逃げていくと、空くんはまたニコッと笑って勇羽を見た。

「空サンキュ」
「おぉ」

あたしは、怖かったのと安心したのとで涙が止まらない。

「じゃ、俺バイトだから。」

空くんはあたしの頭を撫でると、何事も無かったようにいなくなった。
ありがとうって言えなかった。
次会ったらちゃんと言わなきゃ。

「よし、帰るか」

そう言うと、勇羽があたしに手を差し出した。
あたしは勇羽の手を掴んで立とうとした。

、、、立てない。

足に力が入らなかった。
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