Prisoner of Love ~全ての恋愛が失恋だとしても~
「まだ少しだけかもしれないけれど、
 やっと白夜さんの考えが分かるようになった気がします。
 
 抱かれる事で確かに一時的に繋がっていると、
 愛されていると実感する事は在るのでしょう。
 
 でも、同じ体で生きている訳じゃあ、ない。
 同じ体を生きている訳でもない。
 
 どうやって繋がっているのかが目で見える体でさえ
 そうなのだから、心なら尚更、という事なのですね。
 
 だから――――」

マンションに至る細道に入って、電灯の真白い光が
真実の背後に長い影を落とす。

「抱かれたいと願うのでしょうし、
 抱きたいと想うのですね」
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