Prisoner of Love ~全ての恋愛が失恋だとしても~
「何を見てるんですか?」

ベンチに座って携帯を開き、インターセクションのログイン画面を
表示させようとしていた真実は突然尋ねられて反射的に携帯を
閉じてしまった。
見上げれば、其処には田中と早川の姿。

「旦那さんからのメールに決まってるじゃない」
何をバカな事を聞いてるとの、早川は呆れ顔で腰に手を当てた。
「あ、それもそうですね。済みませんっ」
田中は屈託の無い笑みを浮かべ、下げた頭を指で掻いた。
「全く、貴女達ってば……
 ほら、折角だし、座ったら?」
真実は三人掛けの水色のベンチを右手で小気味よく叩いた。

社食に隣接している屋外庭園は、社員達の食後の憩いの場だった。
「この時間帯だと空いててイイですね」
適度な間隔を空けて随所に設置されているベンチを見渡して、
早川は真実の隣に腰を落とした。
「いつも座る場所探すの大変ですよー」
早川の隣に続けて田中も座り、
真実は表情を変えずに携帯をバッグへと忍ばせた。
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