Prisoner of Love ~全ての恋愛が失恋だとしても~
結果はというと――上々。
元々、早川は機転が利くし、要約も説明も上手い。
どちらかと言えば田中の方が天然ボケな所があるので
心配だったが、営業部からの質問にも毅然と立ち向かっていた。

「田中ちゃん……私はてっきり撃沈するかと思ったけど」
得意げな顔を浮かべて胸を張る田中を横目で見て
ニヤニヤしている早川が口を開いた。
「ひ、ひどいですよ、先輩!
 昨日、室長から、もっと落ち着いてお客様の話を聴くようにって
 言われたのを思い出して、ちゃーんと踏み止まったんですから」
「あら……偉いじゃない。早速一歩成長したんじゃないかしら…」
真実が素直に感心すると、益々、田中は鼻息を荒くした。

しかし、尚もニヤついている早川がぼそっと呟いた。
「でも田中ちゃん…こっそり黒野君の事ちらちら見てたでしょ?」
「――ぅあッッ!!!」
素っ頓狂な声が屋外庭園に響いた。
「……なっ、なっ、そんな事ありませんからっ!」
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