Prisoner of Love ~全ての恋愛が失恋だとしても~
帰宅ラッシュを迎えた駅のホームは騒々しく、
乗り換えの電車を待っていた真実の頭は重かった。
帰宅したら、従姉妹の咲のお祝いについて
均と話さねばならない。
今朝は明るい声で相談しようと言ってくれたが、
正直な所、余り楽しい気持ちで話せる話題だとは思えなかった。

結婚して5年が経つが、真実達には子供は居なかった。
二人とも、子供が欲しくない訳ではなかったが、
その話は二人にとっては半ばタブーとなっていた。

「もう……余り思い出したくないな……」

考えれば考える程に息が詰まり、真実は肩に掛けていたバッグの
重さが増すような気がして、バッグを掛け直す。
バッグの中で携帯が揺れた。
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