Prisoner of Love ~全ての恋愛が失恋だとしても~
浴槽に身を沈め、茫洋とした瞳で真実は鏡を見詰めた。
一頻り泣いて落ち着いたとはいえ、
まだ頭が霞がかっているようだった。

鏡に映る自分の顔はやけに蒼白く見えた。
両腕を胸元で交差させ、左右の肩を自ら抱いて、
水面に顔を半分埋めた。

――寒い。

お湯は40度の設定である筈なのに、まるで温かく感じられない。
温もりを感じない。
自分で自分の肩を幾ら抱いた所で、寒気が消えない。
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