Prisoner of Love ~全ての恋愛が失恋だとしても~
髪の毛先から間断なく次々と雫が白いタイルに落ちる。
俯く真実の頭から降り注ぐシャワーが白い素肌を濡らす。
均と入れ替わるようにしてバスルームに入った真実は
両手で顔を覆っていた。

どうしても、あの類の話題になるとぎこちなくなってしまう。

せめて、自分達も普通に子供を産む事が出来るのなら。

もう幾度となく繰り返した問いが真実の顔に爪を立てさせる。
透明な雫が指の先から肘を伝って床に落ち続ける。

――分かっている。
考えても如何にもならない事など。

――分かっている。
誰も悪くない事など。

両手を離し、降り注ぐシャワーに顔を向けた真実の肌を
撫でるのは温い雫だけだった。
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