【完】短編集~幼馴染み~
しばらく走っていると…
「ちょ、…り、陸っ…」
ハッと我に返り、走るのをやめる。

「ワリ、大丈夫?」
「ハァ…ハァ…まぁ、なんとか…?」
全然大丈夫に見えねぇけど?
「い、いきなり、どうしたの?陸」
息が整った未来が、聞いてきた。

「…ムカついた」
「へ?なにが」
キョトンとしている未来。
全然わかってねぇんだな。

「未来が、後輩に告られて。ムカついた」
「え?なんで陸がムカつくの?あ、もしかして…」
さすがに、気付いたか?
「あたしなんかが告白されて生意気とか!?」
「………」
「ちょ、なによ、その目!」

天然なのか、鈍感なのか。
いや、両方か。
「…はぁ」
「え、どうしたの!?」
上目遣いで聞いてくる未来。

「っ//反則だろ、その目は」
「え??え?」
こいつには、遠まわしはダメだ。
ハッキリ、言おう。



「好きだよ」



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