【完】短編集~幼馴染み~
―――帰り道


「はぁ……」
宏也とはクラスが違うから、なかなか話せない。

「美月?」
後ろから声がして、振り向くと…
「あ、翼くん」

水嶋翼<ミズシマツバサ>くん。
宏也のお兄ちゃんで、同じ高校の3年生。

「ため息ついて、どうした?」
「うーん、ちょっと!」
「…ちょっと、付き合ってよ」
「へっ!?」
そう言って翼くんはあたしの腕を引き、公園へ入っていった。
そして、ブランコに座りこぎ始めた。

「…で、どうした?」

「つ、翼くんはさ。あたしの好きな人…知ってる?//」

知らないよね、言ったことないし。


「宏也だろ?」

………。

「え!?」


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