【完】短編集~幼馴染み~

キモチ

しばらく走り、カラオケ店から離れたところで、走るのをやめた。

「ハァ…ハァ…、陸斗…急にどうしたの…?」

肩で息をしながら、訊ねる。

「つか、のんはなんで合コンなんかに来てたんだよ」
「あ、あたしは華に放課後付き合ってって言われて…。
あそこに行って、初めて合コンだって知ったんだ…。
って、あたしのことより、なんで陸斗もあそこにいたの!?」
「のんと、まるっきり一緒」

へ……?

「俺も、秀人に騙された。ちょうどよかったじゃん?
抜け出せれたんだし」
「う、うん……」


なんだ、期待したあたし、バカみたい…。


あたしのために、抜けさせてくれたのかと思ってた。

やっぱり、マンガみたいにはいかないね。


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