【完】短編集~幼馴染み~

君と真実

「まず、やっぱりちゃんと謝りたい。さっきは、いきなりキスしてごめん」
「…うん」
「葵は、なにを知りたい?」
「…どうして戻ってきたの?どうして好きでもないくせにキスなんてしたの?どうしてアメリカに行く前、キスしたの?」
「やっぱ、俺の気持ちは全然伝わってなかったのか…」
「え――……?」
「まず、なんで戻ってきたか。…会いたくなったんだよ。お前から手紙来るたび、嬉しかった。だけど、すっげぇ会いたくてたまらなくなったんだ。親父の仕事もだいぶ落ちついてきたから、俺と姉ちゃんだけ先に戻ってきたんだ。…お前に会えて、すげぇ嬉しかったよ。すげぇ、綺麗になってた」
「っ、それなら…言ってくれたらよかったのに」
「言えっか、バカ//。なんで、さっきキスしたか、だっけ?」
「…うん。…王様の命令は絶対だから?」
「ちげぇよ。…15番と36番がキスって命令されて、俺15番だ。どうしよって思ってたんだよ。そしたら、葵がいきなり席立って、顔真っ赤にして…焦ってて。葵が36番だってわかって…。そしたら、嬉しくて。…キス、してしまいました」
「え?え??」
「~~だから!好きな子とキスできるって分って、嬉しくてついしてしまったんだよっ///」
「へ、好きな…子?」
「…アメリカに行く前にキスしたのは…、俺を忘れないでほしかった。覚えててほしかった。けど、一番の理由は…あんな切なそうな顔して、あんな可愛い顔されたら…我慢できなかった。抑えれなかったんだ…。ごめんな」
ねぇ、ずっと聞いてて、分ってきたかもしれない。
分らなかったことが、明らかになる――……。


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