【完】短編集~幼馴染み~
「清水さん♪」
あたしの机の目の前に立っていたのは…
「前川…さんっ…」
由貴の彼女になった、前川ゆか<マエカワユカ>ちゃん。
「ゆかね、由希くんと付き合えることになったの♪」
「…知ってるよ」
「ゆか、ずーっと告ってきたから、すっごく嬉しいの♪」
「……」
「ね、清水さん。…もう、あんまり由貴くんに関わらないでね?」
ねぇ、どうして…
「えっ…?」
「だって、もう由貴くんはゆかのものなんだよ?」
わかって、いるのに…
「実は、ずーっと清水さんのこと、目障りだったんだぁ♪」
どうして、この子は…
「やっと、ゆかのものだけになったの。だから、ね?」
あたしの心を、傷付けるの…。
「うん…、分ってるよ…」
「よかった♪」
チラリ、隣の席の由貴を見るが…
こちらを、見ようともしない。


苦しい。


ただ、ただ、


苦しい。


どうやったら…


あなたを、忘れられますか?
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