【完】短編集~幼馴染み~

涙と、強い力

今日の授業は、全然頭に入らなかった。
ただ、ボーっと、窓の外をみつめていた。
由貴が、こちらをチラリとみた時もあった。
ねぇ、どうしてなの、由貴。
嫌いなら、見ないで。
嫌いなら、関わらないで。
もう、あたしは諦めるしか、ないんだから。
だって、あなたはもう…
人のモノなんだから――……。



なのに、あなたは……



いつも、いつも……




あたしを


掻き乱す。



いつも、いつも……



忘れさせて、くれない。



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