セックス·フレンド【完結】
やはり、来なければ良かった。


携帯ショップからの帰り道、あたしは、何度も心の中で繰り返した。


知らないほうがよかった。


隆也と竹内ミキの過ごした時間も、指輪の存在も。


気合いを入れてオシャレした自分も、ぷらぷらと胸元で揺れるハートのネックレスも、今となっては虚しいばかりだ。



もしかしたら…。


あたしが思っているほど、隆也と竹内ミキの関係は悪くないのかもしれない。


セックスがないというのも、隆也の嘘なのかもしれない。


ようやく、あたしは、これまでの隆也の言動に疑問を持ち始めた。
< 105 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop