セックス·フレンド【完結】
「入院て、退屈なんだな。休みが欲しいと思ってたけど、いざ、ゆっくり休める時間ができた途端、体を動かしたくて仕方ないなんて」


ため息を吐きながら、隆也が独りごちた。


「たまには、いいじゃない」


荷物を入れてきた紙袋を畳みながらあたしが答えると、


「色々考える、いい機会なのかもしれない」


と、隆也は小さな声で、呟いた。


あたしの動きが止まる。

考えるいい機会…。


でも、聞こえないふりをした。


それ以上のことを隆也は語らなかった。ただ、黙って難しい顔をしている。


沈黙に耐えかねて、あたしは椅子から腰を浮かせた。


隆也が、あたしの行動を目で追っているのを感じる。


テーブルに置きっぱなしだったタオルを仕舞おうとロッカーを開け、つい反射的に


「あっ、良かったらこれも洗濯してこようか?」

と聞いた。


ロッカーには、隆也が入院するときに着てきたと思われる、Tシャツとジーンズがしわくちゃに押し込まれていた。
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