セックス·フレンド【完結】
「美杉、おいで」


優しい声で隆也があたしを呼ぶ。


手招きされて、あたしは隆也の隣りに腰を下ろした。


言い訳をしたかった。


泣いてなんかないと伝えたかった。


大丈夫だと笑いたかった。


けど、そうしようとすればするとど、涙が止まらなかった。


震えるあたしの肩を隆也がそっと抱く。


あたしは、彼の胸に顔をうずめた。


そうされることが、許されるような気がした。


「ちゃんと、考えてるから」


耳元で隆也が囁いた。


「このままで、いいわけがないって、俺、わかってるから」


そう言うと、隆也はあたしが泣き止むまで、ずっと背中を撫で続けてくれた。


「待ってて欲しい、その時まで」


「うん、待ってる」


気持ちが通じ合った瞬間だった。


その時、あたしは決めた。


例え、彼の出した答えが、あたしの望むような結果ならなかったとしても、あたしは、その決断を受け止めてあげようと。
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