セックス·フレンド【完結】
しかし、隆也からの連絡は、それを最後に途絶えた。


一週間が過ぎ、二週間が過ぎたころは、まだ気持ちにも余裕があった。


前回だって、半月以上待っての、突然の連絡だったのだから。


でも、今年最後の花火大会が終わってしまうと、さすがに落ち込んだ。


きちんとした約束こそしなかったものの、あの時確かに隆也は花火を見に行こうと言ったではないか。


でも、休日の、それも地区予選を数週間後に控えた彼に、催促などできるはずもなかった。


答えを急ぎすぎて、強要しすぎて、彼を失った過去がある。


同じ過ちは繰り返したくはない。


夜空を焦がす大輪の花火が夏の終わりを告げる。
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