セックス·フレンド【完結】
「もしも、本当にあたしを選ぶつもりだったなら、竹内さんがアパートを出た時点で、あたしを恋人にしても良かったはずよ。でも、隆也はそうしなかった」
「それは…気持ちの整理が…」
「整理って?あんなにあたしをたくさん抱いたじゃない?」
「それは…」
「セックスはできても、恋人にはできなかった。アパートに招くことさえ…」
「…」
「それは、つまり、竹内さんの居場所を、きちんと確保しておきたかったからよ。体は許せても、心までは許せなかった。どんなにいいことを言っても、結局、隆也は竹内さんのいた場所に、あたしを置きたくはなかった。そこにあたしが入りこむ隙なんか、なかった」
一つ一つ言い当てられるたびに、「違う…」と否定した隆也の声が弱々しくなっていく。
それは、つまり、違わないということ。
「子供がてきたから結婚するんじゃない。きっと子供ができなくても、隆也は、竹内さんを選んでいた」
「…」
いよいよ確信へ迫ると、隆也は否定すらできなかった。
「あたしには、わかるの」
「…どうして?」
「だって…」
そこで、あたしは再び言葉をつまらせた。
「隆也が竹内さんを見つめてきたのと同じように、あたしも隆也を見つめてきたんだもの。大好きだったんだから、本当に。大好きだった…」
愛は、はじけた。
大好きだった。
愛してもいた。
でも、もう届かない。
こんなかたちで、どれだけ隆也を愛していたかを伝えることになるなんて、思わなかった。
「それは…気持ちの整理が…」
「整理って?あんなにあたしをたくさん抱いたじゃない?」
「それは…」
「セックスはできても、恋人にはできなかった。アパートに招くことさえ…」
「…」
「それは、つまり、竹内さんの居場所を、きちんと確保しておきたかったからよ。体は許せても、心までは許せなかった。どんなにいいことを言っても、結局、隆也は竹内さんのいた場所に、あたしを置きたくはなかった。そこにあたしが入りこむ隙なんか、なかった」
一つ一つ言い当てられるたびに、「違う…」と否定した隆也の声が弱々しくなっていく。
それは、つまり、違わないということ。
「子供がてきたから結婚するんじゃない。きっと子供ができなくても、隆也は、竹内さんを選んでいた」
「…」
いよいよ確信へ迫ると、隆也は否定すらできなかった。
「あたしには、わかるの」
「…どうして?」
「だって…」
そこで、あたしは再び言葉をつまらせた。
「隆也が竹内さんを見つめてきたのと同じように、あたしも隆也を見つめてきたんだもの。大好きだったんだから、本当に。大好きだった…」
愛は、はじけた。
大好きだった。
愛してもいた。
でも、もう届かない。
こんなかたちで、どれだけ隆也を愛していたかを伝えることになるなんて、思わなかった。