セックス·フレンド【完結】
「つまんねーの。じゃあ、何しに行ったわけ?ただ遠くから眺めてただけ?」


頷くあたしに、西村君が肩をすくめる。


「ここへ来る前は色々考えてた。隆也を殴ってやろうかとか、会場に紛れてやろうかとか…」


「いっそ、そうすりゃ良かったのに」


「そんなことしても、何もならないから」


「けど、それじゃ、みぃたんの気持ちが晴れないでしょう?」


「晴れないわよ。隆也を完全に忘れる日がくるまで、ずっとね。何をしても晴れない。」


「だったらせめて…」


「これでいいの」


言いかけた西村君の言葉を遮るように、あたしは目をつぶった。
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