セックス·フレンド【完結】
シャワーを浴びようか、それとも、明日にしようか。


窓の外を眺めながら、タバコに火をつけた。


やはり面倒だ。これを吸ったら眠ろう。


そう思ったけれど、汗で濡れたTシャツが背中に貼り付く感触がどうも不快で、結局、あたしはお風呂へ向かった。


忍び足で階段をおり、両親の部屋の前を通るとき、微かにいびきが聞こえた。


再就職に意欲的でないあたしを、両親はとても心配していた。



―――いつまで、コンビニにいるつもり?きちんとした就職先を探しなさい!昼間働いて、毎月決まったお給料をもらえるとこなら、どこでもいいじゃない!



父は何も言わないが、母は、顔を合わせるたびに不満をぶつける。


でも、だめだ。


きちんとした仕事についたら、隆也に会えなくなってしまう。


服を脱ぎバスルームへ入ったあたしはシャワーの蛇口をひねった。


冷たい水をかぶると、寝ぼけた頭がみるみると冴え渡り、体中の細胞が目覚めていく。


あの日の記憶がはじける。
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