セックス·フレンド【完結】
「な、なによ?」


あたしが怯むと、真っ直ぐに見つめた西村君が口を開いた。


「みぃたんてさ…」


西村君の長くカールした睫毛に見とれてしまう。

確かに、可愛い顔をしている。今はやりの若手俳優にいそうなタイプで、肌なんて、女のあたしより遥かにきれいだ。



「いい女なんだよね、本当はさ」


そう言うと、西村君は、さも残念そうに肩を落とした。



「意味がわからない」


と、あたし。


あたしは別にいい女じゃない。


顔だって特別美人というわけじゃないし、ナイスバディでもない。


二十歳の西村君からしたら、オバサンの部類に入るのかもしれない。


それなのに、あたしなんかと寝る彼は、よほどの女好きなのだろう。


このルックスからして飢えているというわけもあるまい。


現に、西村君と付き合いたい女の子はたくさんいる。


でも、彼は、縛られるのを嫌う。自由でいたいのだ。


だから、あたしみたいに自分に依存する可能性のない女のほうが都合がいい。
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