セックス·フレンド【完結】
「みぃたんが書いたの?」


西村君の顔がぱぁっと明るくなる。


「ま、まさかでしょ」


あたしは、慌てて否定した。


「西村君がバイトにくる前に来てた女子高生から預かったの。渡して下さいって」


西村君の顔からはみるみる笑みが引き、眉間にシワをよせた。


「いやー。なかなか可愛い子だったよ。今時ノーメイクで、黒髪で。清純派って感じ。名前は聞いたけど答えなかったから、たぶん手紙の中に書いてあるんじゃない?あたしの中ではイチゴちゃんてアダナがすでに決まってるんだけどさ。もてる男は辛いね…」



「有村さんお先に失礼します。お疲れ様でした」


ペラペラと調子よく話している途中で、西村君は帰ってしまった。



有村さんだなんて、勤務中以外には呼ばないのに。


やはり、今日は虫の居所が悪いようだ。


あたしは、バカみたいに騒いだことをちょっとだけ反省した。
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