セックス·フレンド【完結】
「今日はこのあとバイト?」


「ううん。今日は休み」

コーヒーのお代わりを注ぎながらあたしは答える。


今日は浮かれすぎて仕事にならないだろうと、あらかじめ休みを入れた。

帰ってからも、しばらくはこの余韻に浸っていたい。


「本当?じゃあさ、もう少し一緒にいようか?」


思いがけないことを言われて、あたしは目を丸くした。


「彼女がさ、会社の飲み会で帰るのが遅くなるんだ。だから、どこかで夕飯食って帰ろうよ」


叫び出しそうに嬉しかったが、あたしは、努めて冷静に微笑んで見せた。
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