セックス·フレンド【完結】
ただ…。


あたしは、そっと首に手をあててみる。


この、首から下げたメッキの安っぽいネックレスだけが、やけに浮いている。



でも、これは外せない。


隆也から貰った、初めてのプレゼントだから。


今朝、ずっと封印していた箱からそれを取り出し、久しぶりにつけてみた。


金色だったチェーンは変色し、ハートのチャームも傷だらけ。


でも、ネックレスはぴたりと肌になじんだ。


竹内ミキの知らない隆也を、あたしは知っている。



このネックレスがあたしに勇気をくれる。



そう信じて、あたしは自動ドアの前に立った。
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