squall
“佐野”は、そんなに珍しい名字じゃない。

佐野サンと、佐野が知り合いとか。
ましてや、兄弟なんてあり得ない、思っていながらも。


―ドキン、ドキン…


ひとり、勝手にドキドキしていて。

私と佳世。
惣一と佐野サン。
向い合わせの席。

この時。
私はいつもと変わらず、フツーの表情を、惣一に見せられていたのか。


「弟。いるよ」


その答えに。


「―――――」


私の肩が、一瞬、跳ねた。


惣一の1コ下。
私たちの、3コ上。

中学、入学と同時に、卒業してしまってる相手。

佐野に、


―お兄ちゃんなんていた?


その短い一瞬で。
私の頭がフル回転する。


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