squall
そんな私を、佳世はチラッと横目で見ると。


「もしかして、ですけど…」


短い前置きをして。


「弟さんの名前。悠真、じゃないですか?」


ズバリ。
口にした。


―ドキン、ドキン…


身体中が、心臓になったかのように、その音が私を支配して。

佐野サンが答えるまで、何秒だっただろう。


「えっ?あ、そう。悠真。もしかして知り合い?」


瞬間。


―ドクンッ…――――


私の耳は。
鼓動以外、すべての音を。

遮断した。












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