甘い罠
もう一度手帳に視線を落とし、水曜日の前後のスケジュールを見てみるが、糸口はなかった


「木村さん?」

田崎が大きい声で呼びかけハッとした

「あ、悪い…

いや…すまん
なんか…

行った記憶がないんだ」


「えぇ?」と、田崎はすっとんきょうな声を出した


頭の奥に重いような、痺れるような感覚があった
考えようとすると、急激に吐き気もしてくる


「木村さん…

大丈夫ですか」

語尾が小さくなった

田崎は木村の異変に気付いたようだった






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