この窓を飛び越えて…
―――また、同じような笑みで…―――
緩やかにあげた口角。
それは、かの有名な肖像画“モナリザ”のような微笑み。
優しさがどことなく滲み出ている。
それでも、無理にその優しさに付け込んだりしてしまえば…崩れていってしまうかもしれない。
……そんな、脆くて繊細な微笑み。
“窓辺の人”が原口くん達を見る顔はそれそのもので。
また目が離せなくなってしまった。
無意識のようにじっと見ていたわたしに、ふと声がかかる。
「莉桜…?」
急に現実に引き戻されてハッとした。
これではいけません。
気にしない、と決めていたのに…。
――――『決めたことはやり通せ。それが男でも女で変わらない』――――
夢のようなもののなかで、記憶が甦った。
そうです。
わたしは…約束したんです。
「莉桜大丈夫ー?」
「はい。すいません、ちょっとボーッとしてて…」
敬語でなくてもいいと言われたことは忘れていた。