この窓を飛び越えて…
「また敬語に戻ってるし…。まっ、いいや。莉桜がやりやすいようにしなね」
千恭ちゃんの笑みは、ごく普通のもの。
太陽みたいに明るくて、パッと花が咲く。
例えればそれは…そう、
「ひまわり…」
「えっ?」
「あ…いえ!何でもないんです!」
「でも今確かにひまわりって…」
「それは、えっと…千恭ちゃんがひまわりみたいだったから…」
照れるように言うわたし。
それを見たのか、千恭ちゃんはまた花を咲かせた。
「あたしがひまわり?ははっ、いい例え!あたしひまわり好きだよ」
「そうなのですか?わたしもひまわりは好きです」
なぜなら…
―――あの人がひまわりを育ててたから…。あの人がなりたかったものだから―――
頭の中で、思い浮かべてしまった。
窓際の、……小さく目が出たひまわり。
だけど…太陽の光をサンサンと浴びるのは遅すぎた。
あの人は、ひまわりが太陽に向かって咲くことを最初知らなかったから。
だからか、それは黄色い蕾をつけただけ。
花が咲くことはなかった。
あの人が…いなくなると同―――「莉桜は何がいい?」
急にまた話を持ち出され、キョトンとしてしまった。