この窓を飛び越えて…



千恭ちゃんが、「んーっ」と背筋を伸ばした。


「でもあたしさぁ、せっかくだからコスプレしたい…」

「へっ?」


あまり聞き慣れないものに、わたしは思わず声をだした。



コスプレ……って、

あの変な格好をすることだよね?



「そ、それって、千恭ちゃんが、するんですか?」

「いや、あたしは似合わないけど…そうね…莉桜ならとってもいいと思う!」

「えっ?!」

「あぁ、みたいなぁ。莉桜のコスプレ…」

「落ち着けよ沖田」

「啓助も見たいでしょ?!」

「俺にフルのかそれをっ…!!」


だんだん主旨がずれていっている気がする話題は、千恭ちゃんと原田くんの周りだけで広がっている。

“窓辺の人”はまた黙りはじめちゃったし、興奮している千恭ちゃんを止められる自信はない。


「あ、あの…っ」

「てかそもそも、コスプレ喫茶なんてメジャーすぎるだろっ!」

「そう!!そこが問題なのよ!ただのメイド・執事喫茶じゃつまらない!
というわけで、莉桜が言った、新鮮さをずっと考えてるの」


思っていたより、千恭ちゃんの頭の中では候補が出ているみたい。



コスプレっていうものは要するに衣装を真似すること…だよね?

もしもわたしが着るとしたら…
わたしが見たい衣装は…



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