秘書室の言えなかった言葉
俺は持ち帰っていた仕事があるから、会社でそれをしようと思った。

会社の駐車場に着くと、真人の車が。

車を降りた俺は、そのまま社長室へ。

社長室のドアをノックし、入ると


「あれ?英治、今日休んでいいって言わなかったっけ?」


真人はキーボードを叩くのを止め、俺が来た事に驚く。


「あぁ、いいよ。予定無くなったから。昨日の続きするわ」


そんな俺の言葉に


「えっ?昨日、園田さん、連れて帰ったんじゃないのか?」

「連れて帰ったけど……。いいんだよ」


そう言って、俺は社長室にあるソファーにドカッと座る。


「喧嘩したのか?」


真人とは幼なじみ。

だから、付き合いも長い。

普通に話していても、俺のちょっとした態度で、すぐに何かあったと気付かれる。


「うるせぇーなぁ」


いつもは敬語だが、休みと言う事もあり、つい、普段の口調になる。


「まぁ、いいけど。早く仲直りしろよ」


それだけ言って、真人はまたパソコンに向かう。


仲直りするもなにも……

“喧嘩をした”というか、俺が一方的にイライラしたり、不安になったりしているだけであって。


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