江戸時代で逆ハー状態!?
―――…
――…
―…



「はぁ…はぁっ…」



新撰組屯所は…




広いっ!!




こんなんで
本当に左之助君を
見つけられるのかな…
って!
ダメだ!
弱気になっちゃ!


あー…
でも、疲れた…



そんな事をぶつぶつ言っていると、



「…………
なにぶつぶつ言ってんだ。
小娘。」



この憎たらしい声は…



「左之助君!
やっと見つかった…」



安心し腰の力が抜けて、
その場で座り込む。



「俺になんの用だ?
……さっきの事なら、
謝らなくていい。
どうせ、いつもの事だから。」



左之助君の表情が曇る。



いつもの事なら
なおさら謝らなきゃ。

だって、あの顔は
気にしてない顔じゃない。



「左之助君が謝られたくなくても、
私が謝りたいのっ!

さっきは、
左之助君が
気にしてる事を
ぶつけてしまって
ごめんなさいっ!」



頭を下げて
謝る私を、どんな顔で
左之助君が見てるかわからないけど、
謝りたい事はちゃんと言った。



「なぁ、頭あげて。」



いつもより低い声で
言われ、ゆっくりと顔をあげる。



ぎゅっ



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