臆病な初恋。
「久しぶりだな、おまえとこうやって話すの」
「え?うん、そうだね」
ずっと私の事を見なかったのに、突然私を見て笑いながらそう言った。
きっと、〝じゃあな〟と言って帰ってしまうのだろうけど、最後に優しく笑ってくれたから……
私は微笑んだ。
すると亜清は考え事をしているような様子で腕を組んだ。
そして、ベルを鳴らす。
すぐにおばさんが来て、「コーヒーもう一杯」と注文した。
「亜清…じゃない、森永さん、帰るんじゃないの?」
「なんだよ、それ。森永さんって。
亜清で良いじゃん」
「あ、ごめん…」
「で、なに?帰ってほしいの?」
「え!!帰ってほしくないよ!!」
思わず大きな声を出してしまった。
何人かのお客様が私を見る。
恥ずかしくなって俯いていると、口に手を当てて笑っていた。
恥ずかしいのに嬉しくなる。
亜清が私の行動で笑ってくれた。
まだ一緒に居てくれる。
〝幼なじみ〟に戻れた気がして。