箱庭ラビリンス
必死で元気付けれるように感情を言葉に、言葉を感情に乗せて表現する。身振り手振りで必死に何度も何度も好きだと、楽しいと言った。
ナナギくんは目を丸くしていた。
その事に気付いたのは全て話終えた後だった。
「ご、ごめ……「謝らなくていいよ。……でも、ありがとう」」
目を細めて私に笑いかけてくれる。だから私も笑い返した。
きっと、今の笑顔は複雑なものが絡み合っていない心からのものだった筈だ。
「そうやって君の助けになれるなら。いくらでも弾くよ。どうすればいい?」
どうすればと聞かれて音楽が分からない私は「また何か聴かせて」と返した。
先程とは違った曲調で、優しい音で、綺麗な音で、とても耳障りのいい曲だった。
それを耳に焼付けようと目を閉じ、聴き入った。
新しい家族と頑張ろう。そう思えるものだった。きっと私はこれだけは忘れない。