光を背負う、僕ら。―第2楽章―
「…あれ?もしかして佐奈、その噂のこと知らないの?」
驚くあたしの心情に気付いた流歌が、きょとんとした瞳で尋ねてくる。
「流歌も知ってるの?」
「うん。マリナちゃんのことは、結構有名だからね。あんまりいい噂じゃないみたいだけど…」
苦笑いしている流歌は、ふだんあまり噂とかは信じないタイプだ。
でもそんな流歌さえ知っていて認めている噂だなんて、なんだか驚きを隠せない。
――『麻木は周りに疎すぎる』
………。
浮かんだのは、そんな真藤君の言葉。
誰もが知っているようなことを知らないなんて、あたしって本当に疎すぎるのかも…。
「…で?マリナちゃんの告白って、そんなに男を落とすテクニックでもあったの?それに、告白のターゲットになった男子は誰?」
まだ告白していた女の子のことしか話していなかったせいか、明日美がやけに興味津々な様子で迫るように聞いてくる。
告白したのがマリナちゃんだって分かったから、余計にそうなのかもしれないけれど。
なんだかあたし、この話をしない方がよかったのかな…。
話し始めてからそんな気がして後悔した。