百物語

┣10本目 目

やっぱり、心霊スポットに遊び半分で行くもんじゃないですね。

実は僕も行ったことあるんですよね、心霊スポット。
その時にあった話をします。

その時は彼女と心霊スポットに行ったんですよ。

よくある話ですよね、僕のも。

それで…まぁ、廃ビルだったんですけど、ボロボロであっちこっちが欠けてるような感じです。

もちろん、シーンとしてるわけですよ。

すると、彼女が言う訳ですよ。

「もう帰ろう」

って。

だから、「じゃあ、最後にこれで撮りながら一周したら帰ろう」ってビデオを回してたわけです。

その時は何もなく一周し終わり、家に帰ってビデオを見たんですよ。

彼女も見てたんですけど、ある壁が写った瞬間「あそこ…なんか光ってない?」というんですよ。

で、じっと見たら…確かに懐中電灯の光が当たる度になんかキラッと光るんですよ。

そしたら、たまたま段々近付いてたんですよね、歩いてましたからね。

そしたら、そこに穴があったんですよ。

そこで…気付いてしまったんですよ。

その光るの…目だったんです。

黒目がカメラの方をじっと見てました。

もちろん、お祓いしましたし、ビデオも処分しました。

けど…あの日から誰かの視線を感じない日がないんですよね。

今も…ほら、あの壁側から…あの目が僕を見てるんですから。

――フッ シュポ
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