百物語

┣12本目 髪の毛

霊と仲良しなんて良いッスねー。

じゃあ、俺は怖い話で。

俺、こないだ引っ越ししたばっかりで、初めて一人暮らしに胸を踊らせてたわけ。

まぁ、引っ越しした後は友達呼んでずっと馬鹿騒ぎしてたんッスよ。

そんなある日なんッスけどね。

俺はいつものよーに男友達5〜6人を家に呼んで、呑んでたんッス。

したら、酒がきれちゃって、1番酔いがでない俺が近くのコンビニに行ったんッスよ。

それで、畜生ー、重いなーとか思いながら帰ったら友人はニタニタ笑ってるんッス。

「なんだよ?」って聞いたら「お前、彼女ができたんなら言えよ〜、水くせぇなぁ」と酔っ払いが(実際、かなり酔ってたし)肩を組んでしたんッスよ。

そしたら、そいつこんな事を言うんッス。

「しらばっくれんなよ〜!じゃあ、なんだよ?このなげぇ髪の毛はよ〜?」

って。

そいつの手には身に覚えのない、長さの長い髪の毛が掴まれてたんッス。

しかも、束で。

さすがに酔いも覚めちまいましたよ。

まー、その日は何もなかったし、今も何もないッスけどね。

あっ、じゃあ、俺ちょっとトイレ行って来ますわ。

…っと、その前に。

――フッ シュポ
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