かふぇもか
「ただいま~」


仮設住宅に帰ったわたしは、両親に白い鯛焼きをお土産に買って帰った。


母がつぶあんが大好きなのでそれを四つ。


「お父さんと食べて」


「悪いね~。それじゃあお茶でも淹れておやつにしようかね」


そう言って母は席を立った。




「紗美、俺と結婚してくれないか」


それはわたしが10年間ずっとずっと待ち望んでいた言葉だった。


涙が出る程嬉しかった。


31歳、わたしはもう若くない。結婚適齢期だ。


子供も欲しいと思っている。


それでもその申し出を受けることは出来なかったー。
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