太陽と雪
その後、矢吹と相沢さんの提案により、麗眞と椎菜ちゃんと屋外プールで遊んだ。

もちろん提案者の2人も見守り役だ。


「ねぇ。

何で、こんなテーマパークのプールなのに人いないの?

何か……逆に恥ずかしいんだけど……」


「んなこと言うなって。

姉さん、可愛いんだから。

……似合ってるよ?水着。

なぁ、椎菜?」

「ねぇ、麗眞。
貴方に誉められても全然嬉しくないわ」


「そう?

ふぅん……

じゃあ、矢吹さんに誉められても嬉しくないの?」


「いや…そんなことないわ。

麗眞に褒められるよりは100倍嬉しいわよ」


「彩お嬢様。

泳いできてはいかがですか?

せっかく可愛らしいですのに。

もったいないでございますよ?」


肌の露出は左肩だけっていう、ワンショルダーになっている淡いブルーの水着。

「仕方ないわね……

じゃ、ちょっと泳いでくるわ」


「行ってらっしゃいませ、彩お嬢様」


もう……プールに飛び込んだ瞬間に麗眞に水かけられるわ……

大変だったわ。


後から矢吹に聞いた。

さっきのプールは私たちの貸し切りだったみたい。


「もちろん貸し切りにいたしました。

お嬢様の高貴な水着姿を一般の者の目に晒すのはいかがなものかと思いましたゆえ」


なんて言っていた矢吹。


……何よ。
水着姿ぐらい、別にいいじゃない。

ビキニタイプの水着じゃあるまいし……


「ホント、姉さん、男のこと……何も理解してないのな」

そう言う麗眞は、鼻血を出してプールで遊ぶ輪からは外れていた。

椎菜ちゃんの水着姿を間近で見たからか。

水着姿どころか、その下も何度も見ているでしょうに、今更鼻血なんて出すのね。

椎菜ちゃんのナイスバディな身体に見惚れて鼻の下伸ばしてるからよ。

まぁ、彼女の身体は同性の私から見てもいい曲線美で大きさもあって羨ましいけれど。

「何、今更鼻血なんて出してるのよ。

どうせ、水着の下を想像したんでしょうけど。
まったく。

少しは性欲コントロールしなさいな。

もういい年なんだし。

いつまでもお盛んな学生気分でいてもらっちゃ困るのよ。

次期当主の自覚はあるのかしら、もう」

麗眞にはそう言って、大量のティッシュペーパーを差し出した。

普段麗眞には男心がどうの言われているから、普段のお返しだ。

ブラの部分は赤、下の部分は花柄のビキニを着た椎菜ちゃん。

いつもの可愛らしい彼女の雰囲気に、よく似合っていた。

それにしても、推定Eカップの胸の膨らみと谷間がよく強調されている。

少し……いや、かなり羨ましい。

私もそれくらいの大きさが欲しかった。

「あら、似合ってるじゃない、椎菜ちゃん。
ウチの愚弟も鼻血出すわけだわ」

「彩さん、ありがとうございます。

水着なんて持ってきてなかったんですけど、ある人に用意してもらって。

おかげで楽しめました。

いつかは、麗眞と2人で来れるといいんですけどね」

ヨリ戻す気満々なんだな、椎菜ちゃんも。

いつか矢吹やパパ、ママに相談を持っていけば何か進展するかな、と思ったのだった。
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