十三日間
登校する途中、学校の近くの通りで、一人ぽつんと立っているみくるちゃんを見つけた。
「あれ…? みくるちゃん?」
僕は驚いて、小走りにみくるちゃんに近づく。
「どうしたの? 誰か待ってるの?」
これは、かなり間抜けな質問だったみたいだ。
みくるちゃんは、ちょっとむくれた顔をして、僕を見る。
「伶くんを待ってたの!」
ぷぅっと頬をふくらませて僕を見る。

うぅ、か、カワイイ。

「昨日倒れたって聞いたから…。心配してたんだよっ。…大丈夫なの?」
最後はやっぱり心配そうな表情になった。
「ごめんね、昨日はちゃんとメールしなくて。ちょっと寝不足がたまってたみたいなだけだから、早く寝ちゃったんだ。今朝はもう、全然大丈夫だよ!」
僕がそう言うと、「よかったぁ」とみくるちゃんは呟いて、ようやく笑ってくれた。

「ずっと待っててくれたの? ありがとう」
照れくさかったけど、本当に嬉しかった。
一体、どれくらい前から待っててくれたのかな?
聞きたかったけど、それはやめておいた。
「行こうか」
僕はみくるちゃんを促すと、並んで一緒に歩き出した。
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