十三日間
うろうろと部屋の中を歩き回りながら、俺は夢を思い出そうと必死に努力していた。

思い返してみると、ここに来てから、俺はずっと夢を見続けている。
それは、同じ夢だった。

俺じゃない、俺の夢。

そういえば、シュウが持っていたネックレスも、夢に出てきた気がする。

…そうだ、シュウだって。

頭が混乱する。

今まで見た夢を、一気に思い出せそうな気がする。

だが、時間がたつにつれ、やはり夢は俺の頭の中から去っていってしまった。

後に残るのは、幸福感。

得られなかった何かを、得た満足感。

…何に幸せを感じ、何を得たというのだ?
その、夢の中で…?
< 208 / 267 >

この作品をシェア

pagetop