十三日間
三日目 「俺」
「う……ぅああっ……っ……はは…」

目が覚めた俺は、奇妙な感覚に襲われた。

昨日と同じだ。

確かに夢でうなされてた。
それは、俺自身に起因するものだ。

だけど、違う夢も見ていた。

…おぼろげに覚えている気がする。
内容はちゃんとは思い出せない。

でも、楽しかった。

夢の中での俺は、ひどく楽しかった。

今まで俺が歩んできた人生では味わったことのない幸福感。
日々を楽しみ、期待に胸をふくらませる。
そんな、普通の人生。
俺が決して得られない平凡な人生を、当たり前として生きる楽しみ。

そんな夢だった気がする……


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